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トルコリラは買いか?

政策金利が高いと注目され、スワップトレーダーが注目したトルコリラ。すっかり人気はなくなったと思っていましたが、FX会社もまだまだトルコリラを販売しているので、まだまだ人気があるように感じます。

トレーダー川瀬トレーダー川瀬

私は過去にトルコリラの買いでロスカットを食っていますが、当時の価格は40円でした。

通貨価値は今も下がり続けています。通貨価値が下がるということはスワップも安くなることをご存じですか?また、高金利通貨はプロに狙われる特徴があるということと、今後の見通しについて確認していきましょう。

トルコリラ円のロングポジションを持っている方は今後の見通しが気になることでしょう。僭越ながらトレーダー目線で、今後どのように対応していくべきかも考えていきます。

記事の流れ
  1. 今後のトルコリラの行方は?
  2. 値動きから見えるトルコリラ
  3. 高金利通貨はプロに狙われている!
  4. トルコ当局の取引規制について
  5. ポジションをどうしていくか?

トルコリラの今後は?

はじめに多くの方が勘違いしていることを説明したいと思います。国家は自国の通貨価値を意識していますが、国家の思い通りに通貨価値を動かすことはできません

価値は市場が決めているということです。FXでファンダメンタルズで確認している方も多いと思いますが、あまり意味がないことだと私は考えています。

トレーダー川瀬トレーダー川瀬

いま、痛烈にそう感じているのはトルコ当局かもしれません。

〇新型コロナウイルスが世界に蔓延して世界経済は大きく落ち込みました。アメリカの失業率は世界恐慌と同レベルの失業率を記録したのにドルは買われました。

〇サブプライムショック時は悪い情報には反応するのに、良い情報に市場は一切反応しませんでした。

良い例が為替介入です。国家が為替介入をしてもすぐに価格を戻し、無意味な結果になることが100%です。これは歴史が証明しています。アダムスミスの見えざる手ではありませんが、相場が価値を決めていることは今も昔も変わりません。

ですので、私たちトレーダーはファンダメンタルズではなく、値動きを確認した方が勝てる可能性が高いのです。

トルコのファンダメンタルズの話を少しすると、トルコリラの価格に変化が起こったのはリビアで起こったアラブの春あたりでした。

中東は革命や内戦でゴタゴタしていて『中東に隣接するトルコは危険だ!』という見方をされ始めました。実際にIS(イスラミックステート)が勢力を伸ばし、奴隷制度を復活させると言ったとき世界は驚嘆しました。

すでにアラブの春事件は沈静化していますが、トルコリラの下落は留まることを知りません。

アナリストに言わせると、以前は中東の革命絡みで価格を下げていたものの、現在はトルコの経済が低迷しているのでトルコリラは下がり続けていると言います。最もらしい理由ですが、アナリストはそれらしい説明をして人を納得させるのが仕事です。

上記のように市場が反応しないときは『織り込み済みだ』とか『違う理由で価格を下げている』と言います。

何が言いたいかというと、アナリストの説明が正しいのならアナリストは相場で稼げるはずですが、実際にトレードしている人はほぼいません。後付けの理由に過ぎないのです。

この理由から、私たちトレーダーはファンダメンタルズではなく、値動きを確認していく必要があるのです。(重要なので2回言いました)

トレーダー川瀬トレーダー川瀬

他国の今後のことは誰にも分かりません。これが正解かもしれません。

値動きから見る今後のトルコリラ

トルコリラ円のチャート

直近のトルコリラ円の日足チャートです。あまり良い形とは言えません。上記のローソク足で赤い線は短期移動平均線ですが、ほぼ線の下にローソクがあります。

赤い線は標準線にも利用されますが、ラインの上にローソクがあれば強気、下にあれば弱気とトレンドを示しています。瞬間的に赤い線の上に行くことはあるものの、基本的に下にあります。

2020年5月現在、一旦は上昇トレンドに入っていますが、積極的に買える感じではなく、もう少し様子を見たい感じです。

現在のトルコリラ円の価格は15.836円で推移していますが、私がトルコリラ円でロスカットを食ったのは40円で買って、35円前後だったと思います。

記憶が定かではありませんが、2017年か2018年の話でした。わずか2.3年の間に通貨の価値が半分以下になっていることは異常なことだと感じて欲しいのです

トルコの政策金利とスワップポイントについて

【写真は日銀】

日本銀行は上空から撮影すると円の形をしていますが、わざとではなく、たまたまこうなったという説が有力です。(全然関係ない話ですみません)

さて、トルコの政策金利ですが、2020年4月に8.75%になっています。一時は16%を記録したこともあり外国からの資金調達に頼っていましたが、政策金利が16%なのも異常です。

しかも、政策金利が16%だとトルコ国民は生活できません。

トレーダー川瀬トレーダー川瀬

トルコで住宅を購入するとき最低でも住宅ローンが16%以上ということになります。日本のカードローン並みの金利です。誰も買えません。

8.75%でも十分に高い金利ですが、実際には金利に見合うだけのスワップはもらえません。以前は1日に100円スワップポイントがついたときもありますが、最近のスワップポイントは下記の比較表のとおりです。

FX会社米ドル円豪ドル円南アランド円トルコリラ円公式サイト
みんなのFX30円
5円
81円
30円
gmoclick
GMOクリック証券30円
6円
90円
27円
gmoclick
外為どっとコム

30円

5円

70円

25円

gmoclick
アイネット証券25円
15円
110円
30円
アイネット証券
クリック36541円
5円
100円
45円
アイネット証券
外為オンライン誘導20円
0円
50円
50円
gaitameonline
DMMFX30円
6円
90円
-dmm
トライオートFX35円
5円
90円
-インヴァスト証券
マネースクエア16円
15円
20円
6円
m2j
ひまわり証券20円
0円
50円
-himawari
※ZAR/JPY,MXN/JPYは10万通貨
2023年5月4日確認
ランドは10万通貨計算

政策金利が下がらないのにスワップ金利が下がる不思議

スワップ金利は価値を基準に計算している

トルコリラに興味を持っている方は、スワップトレーダーがほぼ100%だと思います。トレードするにはスプレッドが広すぎますし、トルコリラ円の価格は15円前後なので旨みはありません。

トルコリラ円のスワップポイントが急激に下がった理由ですが、通貨価格が関係しています。スワップポイントは通貨価値×(1万通貨)×政策金利÷365日×1=1日分のスワップポイントが計算されています

わかりやすいように1万通貨ロングした場合で確認していきます。

トルコリラ円40円、金利8.75%の場合
40円×1万通貨×8.75%÷365×1=95円
トルコリラ円15円、金利8.75%の場合
15円×1万通貨×8.75%÷365×1=35円

同じ政策金利でも価値が安くなることで受け取れるスワップ自体が安くなることがわかります。FX会社もスワップトレードのポジションはカバーしていなそうです。(個人的見解ですが)

そのため、実際のスワップよりも安いものが提示されるケースが多いのです。

もし、トルコリラの価格が上がればスワップは良くなりますが、価値が下がれば今より受け取り金利は少なくなります。

高金利通貨ポジションはプロに狙われている

ミセスワタナベとは日本の個人トレーダーを総称している

スワップトレードは金利狙いなのでポジションを寝かせたままにします。定期預金のつもりでトルコリラをロングしている方も多いことでしょう。

金利狙いのトレーダーは海外勢からミセスワタナベと呼ばれています。語源は池辺雪子さん。彼女がFXで4億円脱税したことはFX業界で知らない人はいません。

池辺さんは世界でも有名になり『トレード方法はポジションを寝かせているだけだった!金利狙いのための米ドルを買っていただけだった』ということを世界が知ってしまったのです。

貿易や銀行間取引で外貨が交換されるのと違い、FXは買いと売りを成立させて1回の取引が成立します。ポジションを持ちっぱなしということは為替市場にお金を預けたままの状態です。

つまり、ミセスワタナベが保有しているポジションをロスカットさせればモデルファンドは儲かるのです。高金利狙いの通貨はモデルファンドに狙われていることを理解する必要があります。詳しい説明はこちらの記事を参考にしてください。

モデルファンドが使う手法にストップ狩りというものがあります。ストップ狩りについてはこちらを参考にしてください。

トルコ当局の取引規制について

2020年5月7日、トルコは一部の外国金融グループとのトルコリラ取引を禁止しました。インターバンク市場ではトルコリラの流動性が低下していて、FX業界でもスプレッドの拡大やスワップ金利の変動の可能性があります。

FX会社が提示する価格やスプレッドはカバー先が提示しているレートを利用しているため、今後のトルコ当局の対応次第で取引が停止になる可能性も示唆されています。

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最悪、インターバンク市場で取引レートが表示されなくなる可能性もあります。そうなれば取引できなくなる可能性もあるのです。

先のことなのでわかりませんが、トルコがデフォルトしたら、現在のポジションが強制決済になるかもしれません。すでにポジションを持っている方はできる限り軽くしておいた方が良いかもしれません。

トルコの破綻説は2018年頃から水面下で叫ばれていました。ユーロ入りの可能性もあるという情報もありましたが、ユーロ加入の条件を満たせないので不可能かもしれない。では、どうなるのか?という話題がありました。

過去にこんな記事を書いていました。
トルコリラ円スワップポイント徹底比較!高金利運用は本当に買いか?

トルコリラ円は私も過去にロスカットを食らった通貨ペアですが、今後も買えないと判断して2年経過しました。ネタで始めたので30万円の損失で済みましたが、FXは我慢すれば我慢するほど損失が大きくなります。

取引をあおるサロンオーナーもいた

今は考え方が変わっているのかもしれませんが、この方はFXのサロンも開いている方だと認識しています。2018年時点でトルコリラのリスクを知りながら10年スパンで買うことを勧めています。

個人が何を言おうと自由ですが、トルコリラは2001年から100円~30円台に落ちている通貨で、今後も見通しは難しいのでレバレッジ1倍をおすすめという内容。

僕のおすすめするFX会社を利用すれば5万円キャッシュバック!と取引をあおっています。

トルコリラ円の我慢取引勢

トルコリラ引退組

過去には1,500万円ロスカット食らったツイートや、900万円ロスカット食らったツイートがありました。

ここまでの話を総括すると。

トルコリラの取引をしても幸せになれない!

この一言に尽きるのではないでしょうか。トルコリラで勝ち抜けしたという話は聞いた試しがありません。

スワップ取引ほど難しい意外な事実

放置したまま稼ぐことは非常に難しい

投資は自己責任なので、ルールの範囲内で好きな売買をすれば良いですし、儲けるも損をするも全て本人次第です。

個人的な意見を言うなら、一攫千金を夢見て放置して稼げる投資があると思ったら大きな間違いではないのか?という話です。

スワップで毎月30万円稼ぐことは可能なのか検証したことがありました。こちらの記事は参考になると思います。
夢の金利生活!スワップポイントで月30万円稼げるのか徹底検証!

為替は動くものですし、リスクも当然あります。上昇のときに買って下がり始めたら売るなどの戦略を持たないとスワップで稼いでいくのは難しいかもしれません。

トレーダー川瀬トレーダー川瀬

1つ言えることは、トルコリラでおいしい思いをしている人は非常に少ないということです。

ゴールを決めた投資を考える
  • 苦し紛れに高金利通貨で両建てをしますか?
  • 神頼みでレートが上がるのを祈りますか?
  • 強制ロスカットされれば満足ですか?

今すぐ引退するのか、延命措置を取るのかの選択肢になっていることを理解してもらいたいのです。

ただし、投資は誰でも1度は失敗します。その失敗を教訓にできた人だけが相場で生き残っていけるものです。

私がトルコリラ円で100万円以上の含み損を抱えていたら今すぐ損切りします。両建てやレートを上がるのを祈るより、上がっている通貨を買い直した方が建設的だと考えるからです。

30万円前後あれば自動売買で再起を図ることも可能だと思いますし、本当に放置でリターンを考えるならソーシャルレンディングの方がリスクは低いと考えています。

投資は損失分を取り戻すことに非常に時間がかかります。ただし、諦めずに他の方法を考えれば道は開けてくるものです。

現時点でトルコリラのポジションをさらにキープするのは、投資家的にはありえない選択肢だと考えています。

スワップポイントに魅力を感じてFXを始める人は多いです。毎月お金の心配をしないで生活できるレベルを30万円として、毎月スワップを引き落として生活するにはいくら必要か計算してみました。
【参考:夢の金利生活!スワップポイントで月30万円稼げるのか徹底検証!